平凡だけど好奇心旺盛な主婦・アイコが

ひょんなことから“セメント”に魅了されていく!

知識0からのスタート!

果たしてどこに向かっていくのやら…?!

     石原愛子

一児の母で現役ファッションスタイリスト。

アシスタント時代は大草直子氏に師事する。

知りたいと思ったことにはどんどん首を突っ込む癖がある。

趣味は漫画と飲酒とカラオケ。好きな食べ物は牡蠣。

娘の新たな疑問、それは・・・

ある日の朝、いつものように6歳の娘がトイレに行った。朝の見慣れた光景だ。出てきた娘がおもむろに質問をしてきた。『うんちって、ジャーしたあとどこいくの?』ジャーとは流すという意味なのだが・・・。

『・・・下水』私はこんな単純な質問にも正しく答えられているかが不安になった。そもそも下水って何?流したら最終的にどうなるの??普段の生活になくてはならないトイレなのに、知識のなさにまたしても愕然とした。平日朝ということもあり、その時はお茶を濁し保育園に娘を預けた。が、仕事に向かいながらもそのことが頭から離れず持っていたスマホで検索をした。

『うんちって、ジャーしたあとどこいくの?』

すると “東京都虹の下水道館” なるものが目に留まった。なんと下水道の役割や水環境の大切さを学べる体験型の施設とのこと。しかも無料!なんとおあつらえ向きな…こりゃ行くっきゃない!

こうして私は休日に娘と、うんちの行方をつきとめるべく東京都虹の下水道館へ行くことを決めたのだった。

やってきました!東京都虹の下水道館!

ゆりかもめに乗り国際展示場駅から徒歩12分のところに東京都虹の下水道館はありました。建物の5階にあるこちらの施設、エレベーターを降りるとすぐ大きな下水道管のオブジェが!

なんと下水道管の中に自分たちが映し出され、汚物(注意:かわいいうんち君的な)にまみれるというなかなかシュールな遊びがお出迎え。まずは娘の疑問を解消すべく、お家での水の流れがわかる“アースくんの家”なるコーナーへ。

1:本当に水が流せるんです!洗濯機やお風呂まであって、家中のお水がどう流れていくか透明の床で見えるようになっています。

2:先ほどの細い管から徐々に太くなっていってます! こうやって流れた汚水は水再生センターに運ばれ、綺麗に処理されて川や海に放流されるそうです。

その仕組みについては私の説明よりこの図を見るのが一番わかりやすいのでこちらをご覧ください!(横着ではないよ)

下水道管は種類も大きさもたくさんあるそうで、娘はこのフリスビーみたいなものが気に入ったようです。なになに、それはコンクリートじゃないかな?

ん?ちょっと待って、この写真もコンクリートじゃない??さっきの入り口の大きいのもコンクリートでできてる??さすがセメント女子の私です。コンクリートに敏感になってきましたね。

というか、あんなでかいのどうやって作るわけ?いわゆる土管よね??ドラ○もんの空き地に置いてあるあれよね!継ぎ目なくない?!再び壁にぶち当たった私はあの人に聞くことにした。そう、イノえもーーーん!じゃなかった猪熊さーーーん!

セメント新聞社専務取締役

『あー、なっちゃん?かくかくしかじかであんなでかいコンクリートどうやってつくるの?』

『じゃあ作ってる会社に見学行く?』

さすが、三回目ともなると話が早いね。イノえもん。こうして私たちは新たに工場見学に向かうことになったのでした。

東京都虹の下水道館は、数種類のショートムービーが見られたり、下水道に関するお仕事の体験ができたり、子供から大人まで楽しみながら学べる施設ですので、みなさん是非行ってみてくださいね!何度も言うけど無料です!

https://www.nijinogesuidoukan.jp/

Information

やってきました!

下水管つくってる会社ーーー!!!!

今回見学を受け入れてくださったのは日本ヒューム株式会社 熊谷工場さんです!様々なコンクリート製品を作っている会社です!

ゆけゆけ♥ファンの方ならお気づきかと想いますが、前回の見学でお腹の大きかったなっちゃん、元気なベビーが産まれました!!おめでとう☆近々ベビちゃんも登場するかもなのでお楽しみに♪

さてさて、話は戻りますが実は私たちが『下水管』といっているあのコンクリートの管ですが、『ヒューム管』といい、1910年にオーストラリアのヒューム兄弟が発明したものだそうです。へーへーへー!知ってた?!そして日本ヒューム株式会社さんは、なんと日本で始めてヒューム管を作った会社なんですって!1925年創業なので100年近い歴史のある会社なんです!!ひゃー!!

そしてこちらがはじめて作られたヒューム管ですって!工場内にぽこんとありました!びっくり!

ここ熊谷工場は東京ドーム3.5個分ほどの敷地面積の広い工場で、日本各地に5つある工場の中でも1番の広さ。ヒューム管の他にもさまざまなコンクリート製品をつくっているマンモス工場です。

今回案内くださったのは、左から斉藤工場長、勝山さん、地神さん、そして増渕常務。女性陣は柏森さん、原さんです。私の無茶なリクエストに快く答えてくださってこんな素敵なショットが撮れました♪

さっそく着替えて見学です!もう違和感ないね。

ヒューム管の作り方

まずは『鉄筋』を作るのですが、そもそも鉄筋もどういうものか知りません。鉄の細い棒をくるくると巻いていくといったイメージです。縦の棒に横の棒を電気を通して溶接していきます。

動画もどうぞ!

つづいて『練混ぜ』といって前回の生コン工場と同じ生コンを作ります。先ほど作った鉄筋をモールドという型にはめこみます。

回転させたモールドの中に練混ぜをしたコンクリートを流し込みます。これを『遠心成形』といい、高速回転させることで、コンクリートは均等にモールドに押さえつけられます。回転を重ねコンクリート成分同士が密着し硬く頑丈なヒューム管になるんだそう!大きいものだと2~3回繰り返し厚みを出していきます。遠心力をかけることで、生コンのなかに含まれる余分な水分や細かい砂などが表面に浮き出てきます。

かなり大きい音なので耳栓必須です!

回転を止める前に鉄の棒で浮き出た余分なものを取り除き、ブラシで表面を滑らかにする作業をするのですが、今でも人の目と手でするそうです!

まさに職人技!嫌がるのを無理やり写真を撮らせてもらいました!岡田さん☆

遠心成形が終わるとモールドにはめたまま『蒸気養生』をします。蓋を閉めて蒸気を入れながら徐々に温度を上げ、60℃前後で3~4時間保持をして、徐々に温度を下げます。早く固める意味もありますが、温度だけ上げるとヒビが入ってしまうので蒸気を当てて温めます。そしてそのまま一晩放置!

翌朝『脱型』をし、傷や欠けがないか検査します。

蒸気養生後、強度を促進するために、ストックヤードで14日以上再び養生をします。ずらりと並んだヒューム管達が出荷を待っています。

出来上がったヒューム管はとってもきれい☆

ストックヤードではこんな巨大なUFOキャッチャーみたいなクレーンが!これで出来上がった製品を運ぶわけですね。やらせてほしいと言ったのですが、資格が要るので無理でした…。私をクレーンで運んでほしいとお願いしましたが、冷ややかな目で無視されました。残念!

このUFOキャッチャーの場所まで上りましたが、やはり怖かったです。石原のへっぴり腰は健在です。地神さんはまったく怖くないそうです。すごいですね。若いからかな。

続きましてこちらは外圧検査

水密検査。水が通る管なので内から外から水が漏れないかを検査します。

ここで新たな疑問が・・・。このヒューム管どうやって繋げるの?と思いませんか?!なんと、接続部分はゴムだそうです!ゴムはコンクリートに比べて劣化が早そうですが、地下に埋め紫外線が当たらないため、劣化速度は遅いそうです!なるほどねー!

いよいよ出荷☆となります!!!いってらっしゃ~い!!頑張って働いてね~!!!

ヒューム管はざっくり5種類くらいに分かれていて日本ヒュームさんだけでなく、どこの会社でも下水道協会の定める規定内で計算、設計をするそうです。そして、その基準となる基を作ったのが日本ヒュームさんなんですって!パイオニア~☆☆☆

おなじみ!強度テスト!同じコンクリートなので、生コン工場と同様にコンクリート製品も強度試験あります!はいはい知ってる。って顔してますね。やはり音は大きかったです!

ヒューム管以外にもこんなもの作ってます!

パイル(杭)

セグメント

マンホール

壁高欄

それぞれの用途など説明したいのですが、文字数の関係上また次回に持ち越したいと思います(´;Д;`)

さらにさらに・・・

日本ヒュームさんではその他にもたくさんの技術があるんです!しかしながら文字数の関係で少しだけご紹介します。

たとえばこちらの写真、地震により液状化現象が起きてしまい、地面から飛び出てしまったマンホールです。周りの土が液状化することで浮力が働き、本来は土の中に留まるはずのマンホールが浮き上がってしまいます。そしてマンホールが浮き上がることで繋がっているヒューム管が損傷し、下水の流下機能を阻害してしまうのです。また、道に取り付けられていることが多いマンホールが飛び出てしまうと車が通れなくなったりと、様々な弊害が生まれます。

そこで開発されたのがフロートレス工法

マンホールにかかる水圧を消散させる…ちょっと難しいですね。要するにマンホールの中と外の圧力をいい感じにしてくれるってことです。めちゃくちゃ簡単にいいましたが、これめちゃくちゃすごいことなんですよ!!!しかも、今あるマンホールに後付けできるんです!これ、本当に感動しました!!!全部取り替えるとなると本当に大変ですもの!かかるコストも段違いです!

その他にも“耐震一発くん”や“ガリガリ君”といった名前はややファンシーですが、私たちの日々の生活を見えないところで支え、より良くしてくれる技術がてんこもりです!!!

本当に、一つ一つ紹介したい目からウロコなものばかりなんです!

気になるー!知りたいー!って方はこちらをクリック!

社員さんにお話を聞きました!

コンクリート王子こと(勝手に私が言ってる)地神英生さんはコンクリートの勉強をし、インターンで研究所にいたこともあるほどコンクリート好き!入社してまだ半年という若さで今回の見学の案内役に!なんと、私たちゆけゆけ❤︎セメント女子のことも知っていてくれて勝手にファン扱いしました♪♪♪

そんな彼にこの仕事の魅力を聞くと、インフラを支えるという社会貢献に自分が携わっていること、一人ではできないチームワークの醍醐味など、働く意欲をたくさん聞かせてくださいました。ゆくゆくは鉄筋を入れない管など、新たな研究をしたいそうです。そのためにも今は現場でしか得られない知識や経験を吸収しているそう。ビジョンを持って今を生きる姿に、息子を応援している気持ちになった石原でした。

続いて営業部の原さやかさん。彼女は営業部初の女性!会社自体でも女性社員は1割ほどだそうですが、営業職は特に男性ばかりだそう!しかも彼女は文学部卒!なぜコンクリートを扱う会社に?!重量物を扱う仕事は世間的にも男性の仕事というイメージですが、原さん曰くイメージ通りの会社だったとか。だからこそ可能性を感じて入社を決めたそう。そして飛び込んでみたら男女関係なくいろんなことに挑戦させてくれる会社の姿勢にやりがいを感じていると言います。原さんの、イメージだけで決め付けず自分のやりたいことを見つけられる柔軟な考え方、そしてそれを受け入れる体制のある会社の姿勢にこれまた感動した石原でした。

こちらは熊谷工場で事務職をされている江川未夏さん。就業時間が8:00-16:30なので、プライベートな時間もたっぷりあるので嬉しいとの事。また、保育園のお迎えにも余裕を持って行ける時間なので産休後復帰もしやすいそう!確かに終業時刻が早いのって子育て世帯にはありがたい!!これ切実な問題なのよね~!!

ちなみに、柏森さんは私立恵比寿中学の熱烈なファンで、猪熊さんとえびちゅー話で盛り上がっておりました♪

見学を終え、つれてきて頂いたこちらは、熊谷工場の皆さんもよく利用されるお店だそう!ホルモン好きの私としては嬉しすぎて一番乗りです。

打ち上げに連れて行っていただきました☆

原さんが焼いてくれるのを真剣に待ちます。

わいわい皆さんと話をし、ホルモンを食べ進めている中、私のために(ではない)ホルモンを焼きながら増渕常務がぽつりぽつりと話始めてくれた。

 

“女性社員も少ないけれど以前に比べたらだいぶ増えた。でも結婚をして出産をすると辞めていく。せっかく仕事も覚えてキャリアも積んで、これからって時に…。もったいないよな…。だから、いつでも戻ってこられるように働き方を見直したり、これからどんどん工夫が必要だと思うんだよ。子育ては楽じゃないし、母親だけの仕事でもない、それは会社としてもサポートしていくべきなんだ。それが本人の為であり、会社の為、延いては社会の為になる。自分のしている仕事は、インフラを支える大事な仕事だと思っている。けど、社会貢献ていうのはそれだけじゃだめだ。社員を、社員の家族を守ることこそが社会貢献だと思う。俺はね、上司にそう教えられた。その教えを胸に今も仕事をしている。”

 

インタビュー形式ではなく、本音を語ってくれた増渕常務の言葉はとても温かかった。

 

私たちが暮らしていく上で下水処理などのインフラは欠かせないが普段目にすることはほとんどない。今回も娘の疑問がなければ、あって当然として別段考えることもなく人生を終えていたかもしれない。日本には数多くのインフラ事業が存在し、私たちの生活を支えてくれている。逆にとれば普段人が気にしないからこそ技術の開発や発展などというものを必要とせず、既存のシステムでやり過ごすことを私なら考えるかもしれない。しかし、より安全に、より快適にと私たちの気づかないところで努力をしている人たちがいて、豊かになっていく生活があるということをこの日改めて私は知った。もちろん、日本ヒュームさんだけでなく日本に、世界にはそんな努力を続ける会社や人がたくさんいる。見えないものに思いを馳せて、日々の生活の当たり前をくれる人たちに感謝したいと強く思いました。

 

そんなわけで、娘の内定もらえませんかね・・・。

日本ヒューム株式会社 熊谷工場の皆さん、お忙しい中本当にありがとうございました!!

おまけ

調子に乗って飲みまくった私は泥酔してしまい、皆様に大変なご迷惑をおかけしました。熊谷から東京に奇跡的に無事に帰れましたことをここでご報告させていただきます。

また熊谷に遊びに行ったときにはこのお店に集合してもらっていいですか?え?いやだ?ですよねーーーーー!!!!

撮影協力:日本ヒューム株式会社(http://www.nipponhume.co.jp/)、

日本ヒューム株式会社・熊谷工場、東京都虹の下水道館

2019年10月

Copyright © 2019 CEMENT PRESS All Rights Reserved.

当サイト内の文章・画像等の無断転載はご遠慮ください。